必須ではない部屋、設備の決め方
前回までの記事で、最低限必要な部屋や設備の決め方を紹介しました。
今回は住宅として必須ではないが、注文住宅のコンセプトやスペース等によって採用する、部屋や間取りに影響がある設備について決め方をまとめたいと思います。
実際に私が採用したものと採用していないものを理由と共に紹介します。
採用した必須ではない部屋
階段
階段は広大な土地やお金があり、必要な部屋を全て1階に配置、即ち平屋を建てることができれば不要となりますが、大抵は土地やお金を考慮すると2階が必要になってくるため、必須ではないと言いつつも基本階段を採用することになると思います。1階、2階のスペースを使うため間取りへの影響が大きく、種類や配置によって後悔ポイントになり易いです。
私の場合は、まずはどこに配置するか考え、その後階段の種類をどうするか検討しました。その他階段前にドアを設置するか、スケルトン階段にするか等によって熱効率や防音性が変わってきます。また、実際は部屋の配置によりここにしか置けないといった制約で決まる可能性が高いです。
【階段の配置場所:リビング、玄関ホール】
- リビングは2階に行くのにリビングを通る必要があるため、家族のコミュニケーションが増えるが、熱効率や防音性に対して対策をする必要がある
- 玄関ホールはリビングの熱効率や防音性に対して効果があるが、2階は玄関の寒さを拾い易く、また家族の出入りに気付き難いためコミュニケーションが取り難い
⇒コミュニケーションを重視したリビング階段を選択(私の場合、玄関ホールが部屋の配置制約により不可)
【階段種類:Uターン階段、直階段】
- Uターン階段は落下した際に下まで落ちないが、直階段に比べコストが掛かる、間取りの形は正方形
- 直階段はコストが安く、家具の搬入がし易いが、落下した際に下まで落ちるため、手摺りや勾配等安全面に気を付ける必要有、間取りの形は長方形
⇒安全面を考慮しつつ、間取りの形が正方形で検討し易いUターン階段を選択(私の場合、直階段が部屋の配置制約により不可)
【必要なスペース等】
- 熱効率や防音性対策として階段前に開き戸を設置し、スケルトン階段は不採用
- 踊り場や勾配は一般的な仕様を採用
以上から、階段は下記のようなイメージになります。
階段下収納
階段下収納は階段を採用したらほぼセットで採用することになるかと思います。階段下と言ってもスペースはそこそこ取れるので、普段使わない物やクローゼットに入り切らない中型の物を入れるのに便利です。サイズに関しては、階段の種類によって決まってくるため自由度はほとんどありませんが、どれくらいスペースが取れるか把握しておき、収納する物を決めておくと良いです。
【注意点】
- 奥の方も収納スペースが取れる可能性があるため、設計士に最大限スペースを取るよう要望する
- あらかじめ収納する物を決めておく(私の場合、掃除機、プリンタ、ルーター等)
- 床下点検口を配置して見栄え対策や床下収納として使用可能
- ダウンフロアにすると収納力を増やせるが、段差ができることによる安全面やコスト増加となるため不採用
- 周りの部屋から照明は届き辛いため、階段下収納内に照明を設置しておく
以上から、階段下収納は下記のようなイメージになります。
納戸
納戸は収納場所がクローゼットや階段下収納だけでは足りない場合や、中途半端に空いたスペースに採用することになるかと思います。何を収納したいかで必要な広さは変わってくるので、想定した上で検討すると良いです。スーツケース等普段使わず、階段下収納に入らない大型な物を収納するのに適しています。
【注意点】
- あらかじめ収納する物を決めておく(私の場合、スーツケース、本棚、普段使わない服等)
- ドアはスペースを取るので、目隠し等用途がない場合は不要
- 掃除や収納以外の用途で使用することを考慮してコンセントを付けておく
- 換気をするために窓や換気扇を設置する
- 夜に使用する可能性もあるため、照明を付けておく
以上から、納戸は下記のようなイメージになります。
廊下
廊下は基本不要なので、採用するとしても最小限になるようにしています。用途としてはトイレ等リビングに隣接させたくない時や、ドアの開閉スペースのために必要となってくると思います。私の場合は、トイレはリビングから直接行けるようにはしたくなかったので、廊下を挟んで行くようにしています。
【注意点】
- トイレや浴室からの音漏れが気にならない間取りになっているか、特に寝室との位置関係は重要
- ドアを開閉する際にスペースが確保されているか
以上から、廊下は下記のようなイメージになります。
書斎
書斎はリモートワークが一般的になってきていることから、採用しておくと良いと思います。今まで住んでいた家は自分の部屋があったのですが、新しい家では寝室を夫婦で使用するとなると、個人の部屋を採用するのはスペースやコストの関係で厳しくなってきます。私の場合は、個室を採用したかったのですが、うまく間取りの配置ができなかったため、寝室の一角に書斎スペースを作りました。
【注意点】
- 使用用途を考慮してどこに書斎スペースを作るか、個室とするかを考える
- PC作業をするなら、60cm×80cm程のデスクが置けるスペースが必要、デスクは備え付けだと購入したデスクのサイズが合わない懸念がなくなる
- コンセントや照明は使われ方を想定して配置する
以上から、書斎は下記のようなイメージになります。
ベランダ
ベランダは洗濯物を干さない場合は基本不要となりますが、総2階の住宅でない限り2階にスペースができるため、見栄え等の観点から採用することになるかと思います。また、エアコンの室外機を置くスペースとしても使用できます。その他、大型の洗濯物を干す場合や天体観測、グランピング等の趣味に使用する場合にも必要になります。
【注意点】
- 洗濯物を干すかどうか、干す場合はスペースが足りるか検討
- 2階の部屋のエアコン室外機の設置場所を検討しておく
- 趣味で使用する場合は用途に応じてスペースを確保しておく
- コンセントや水栓を付けておき、掃除できるようにしておく
ベランダは2階の空いたスペースよって決まるため、イメージは特にありません。
防音室
防音室は楽器を演奏したり、音楽や映画鑑賞をしたりする人は採用することになると思います。私の場合は、妻が仕事の関係で防音室が必要のため、コンセプトとしてグランドピアノを置くことができる防音室を挙げていました。基本は業者にお任せとなりますが、どれくらいの防音性能が欲しいか、エアコン、窓、換気扇の位置等は要望として出せると思いますので、少しでも快適に過ごせるよう考えるのが大切です。
【注意点】
- グランドピアノやオーディオ機器等置くものを想定した広さにする、搬入経路も確認しておく
- ドアは防音ドア、窓は二重サッシ、床はカーペット、天井は吸音ボードといった防音室仕様かどうか確認する
- 音の反射を考慮して正方形にはしない
- エアコンの配管は音が漏れても良い方向の壁とし、隠蔽配管にする等音漏れ対策をする
- 窓や換気扇の位置も音が漏れても良い方向の壁となるようにする
- 楽譜や本がたくさんある場合、大きめの収納棚を備え付けで設置する
以上から、防音室は下記のようなイメージになります。
採用していない必須ではない部屋
- 【和室】
今まで住んでいた家では物置きとなっており、和室として使い道がない、採用するならリビングと隣接させたいが、スペースがなくコストも掛かるため不要 - 【ウォークインクローゼット】
1人につき1つクローゼットを割り当てており、そこに納まる分の服を持つことにすれば良いので不要 - 【土間収納】
あれば便利だが大型の物は外の物置で代用可能、靴は玄関収納で十分、汚れた物を家の中に入れるのに抵抗があり、汚れたら掃除をする必要がある、スペースやコストも掛かるため不要
内容が多くなってきたので、次の記事に続きます。
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