【間取り動線④】間取り図起こし方法と間取り自作ツール

動線

間取り図自作方法

前回の記事では、二世帯住宅の動線や注意点について考えました。

これまでの記事で家のコンセプト決めから始まり、動線についてもある程度考えがまとまったかと思いますので、実際に間取り図に起こしてイメージを掴む作業に入ります。

部屋間の移動がスムーズか、ドア開閉時に接触しないかといった動線について、事前に自作間取りを作成して確認しておくことで、後でこうしておけば良かったという後悔が減ると思います。

いきなり間取り自作ツールで作成し始めてもいいのですが、大枠が決まる前は修正が入り易くやり直しとなってしまいますので、最初は粗く、徐々に細かく検討していく方法を取りました。

本記事では、私が実際に間取り図を自作した内容を例に、紹介していきたいと思います。

粗めの自作間取り図作成

紙を使用した間取り図検討

最初は紙に各部屋の名称と大まかなサイズを記載し、粗めに位置関係を検討するところから開始しました。

紙での検討時は玄関と階段は共用前提であったため、それらを中央に配置して子世帯を西側、親世帯を東側に分けるようにしてました。また、ランドリーは太陽が当たる南側や東側といった固定観念がある時でしたので、子世帯の方は洗面・脱衣所とランドリーが分離しています。2階に洗濯物を運ぶよりはマシですが、今考えるとありえない内容となっています。

【紙を使用した粗めの検討】

<共用部:中央>

  • 玄関:4帖以上、南側
  • 階段:1帖以上、玄関と隣接
  • 防音室:6帖、玄関と隣接

<子世帯:西側>

  • リビング:6帖、南側
  • ダイニングキッチン:10帖、リビングと隣接
  • 浴室:2帖、北側
  • 洗面・脱衣所:2帖、浴室と隣接
  • トイレ:1帖、廊下と隣接
  • 寝室:6帖以上+クローゼット、北側
  • ランドリー:2帖、南側、キッチンから近い、勝手口あり

<親世帯:東側>

  • リビング:6帖、南側
  • ダイニングキッチン:6帖、リビングと隣接
  • 浴室:2帖、北側
  • 洗面・脱衣所:2帖、浴室と隣接
  • トイレ:1帖以上
  • 寝室:4帖以上+クローゼット、南側
  • ランドリー:2帖、東側、キッチンから近い、勝手口あり

<2階>

  • 階段:1帖以上
  • 子供部屋×2:6帖、南側や東側
  • トイレ:1帖
  • 納戸:4帖、北側

エクセル方眼紙を使用した間取り図検討

紙での検討が終わったらエクセルで方眼紙を作成し、各部屋のつながりやより詳細なサイズ把握をしました。エクセル方眼紙の設定は、セルが正方形に近ければ問題ありません。

自由設計の注文住宅といっても1cm単位等で自由に設計できるわけではなく、ハウスメーカ毎で最小単位が決まっており、一般的には尺モジュールが使われます。1尺=約303mmであり、1帖は910mm(3尺)×1820mm(6尺)となります。細かい端数は分かり辛くなるため、私の場合は間取りは30cm単位で検討しました。エクセル方眼紙の1個分のセルが30cm×30cmとなり、18個分で1帖としています。最小単位から逸脱するような設計は、費用がより掛かったり成立不可になったりしますので、こだわりたい場合は予め設計士に相談しておくと良いと思います。

紙で検討した内容をエクセル方眼紙に起こすと、下記のようになります。

実際に私が最初にエクセル方眼紙で作成した間取り図になります。数字は各部屋の帖数、矢印はドアがあるところで人の移動方向を表しています。下側の帖数の横にある()はセル数を表しており、18で割ると帖数と同じになります。2階は1階の間取りを重ねて表示しています。そうすることで、階段のつながりや部屋の上下の位置関係が分かり易くなります。

1回土台となる間取り図を作成すればそこから課題が見えてきますので、修正してまた課題を抽出してといった作業を繰り返すことで、より精度の高い間取り図になります。途中からエクセル方眼紙の1セルが30cm単位では物足りなくなったので、1セル10cm単位で間取りを書き直し、より詳細な検討ができるようにしています。

10cm単位とするメリットとしては、記載する情報量が増えますのでドアの開閉や窓の配置、ベッドや洗濯機のサイズをより正確に表現できます。また、洗面台や収納に何を入れるかもメモ程度に記載が可能です。デメリットとしては作成や修正に時間が掛かることが挙げられます。

これぐらいの間取り図ができた段階で設計士に確認いただいたところ、持ち込みでは成立しない無茶な間取りが多いが、これならそのままできそうとの評価でした。実際に間取り図も作成していただき、それをベースに検討を進めることができました。

細かめの間取り図作成

より細かく間取り検討をするには、2Dではエクセル方眼紙でも問題はないのですが、3Dで視覚的にも確認することで課題が見えてくることがあります。そこで、間取り自作ツールの使用を検討しました。

下記、私が間取り自作ツールで必要だと思った条件となります。

【間取り自作ツールの条件】

  • 間取りの最小単位が30cm以下で設定できる
  • フリーで部屋の間取りが設定でき、何帖か表示される
  • 鳥観図で3D化して表示できる
  • 動作が軽い
  • 無料

これらの条件でいろんな間取り自作ツールを試しまして、「せっけい倶楽部」という無料の住宅間取り作成ソフトに出会いました。このソフトでは自分がやりたいことができ、上記条件も全て満足しています。

下記、せっけい倶楽部で作成した間取り図や鳥観図になります。

ドアや窓の種類、ベッドやピアノ、テーブルやテレビ台といったものが選択でき、慣れればかなり細かく設定できます。鳥観図は操作にクセがありますが、3D化して見ることでサイズ感や見た目がどのようになるかが把握でき、検討が捗りました。

下記、間取り図や鳥観図で見るべきポイントです。その他間取り図作成で特筆すべきことも記載しています。

【間取り図や鳥観図で見るべきポイント】

  • 部屋のサイズが0.5帖の倍数となっているか、なっていないところは30cm単位で設定可能か
  • ドアの開閉に問題ないか、開き戸や引き戸の開閉軌跡が干渉しないか
  • 通路幅で狭いところはないか、置きたい家具のサイズを考慮できているか
  • ソフトによっては斜めの間取りが不可のものがあるが、ギザギザに設定することで斜めを表現可能(主寝室左下参照)
  • 階段を2個所配置する場合は隣接できない場合があるため、設計士に相談要

まとめ

間取り図起こし方法と間取り自作ツールについてまとめると、下記になります。

【間取り図起こし方法と間取り自作ツール】

  • 最初は紙やエクセルで粗く、徐々に間取り自作ツールで細かく検討していく
  • 間取り図は最小単位を30cmとして検討する、より詳細に検討する場合は最小単位を10cmとする
  • 間取り自作ツールは鳥観図が作成できるものを使用し、3D化して視覚的にも確認を行う
  • 間取り図や鳥観図からドア開閉による干渉や通路幅が十分取れているか確認を行う

間取り図を自作できるようになると、自分の理想の間取りを形にすることができるため、結構楽しみながら作成することができました。これで半平屋の自作間取り作成が終わりましたので、次回からは内部仕様について紹介していきたいと思います。

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