必須ではない部屋、設備の決め方
下記、前回の記事の続きです。必須ではない部屋で、私が必須だと思う間取り(特にスペースや配置に関して)に影響がある設備の決め方をまとめています。
採用した必須ではない設備
階段上収納
階段上収納は案外検討するのを忘れがちな項目かと思います。階段下は収納やトイレにする等スペースを有効活用しようと検討したり、設計士から提案があったりしますが、階段上はこちらから提案しないとただの吹き抜けのままとなってしまい、もったいないスペースができてしまいます。階段の通り道を使うため、あまり大きなスペースは取れないですが、少しでも収納スペースを増やしたい場合は採用検討の余地があるのではないでしょうか。
私の場合は、階段を上ると子供部屋となっていますので、階段の上部に来る場所に収納を配置しています。奥行きは50cm程取れているので、収納としては十分な広さかと思います。余裕があれば可動棚にしておくと、収納する物に応じて適切なスペースが取れるので便利です。
【注意点】
- 階段上は検討を忘れがちなため、スペースを有効活用したい場合は心掛けておく
- 可能な限りスペースが取れるよう設計士に確認する
- 階段のスペースが狭くなるので、開放感に問題がないかや大型の物を2階に運ぶことができるか確認しておく
以上から、子供部屋を例とすると階段上収納は下記のようなイメージになります。
情報分電盤
情報分電盤はテレビやネット等の回線や情報通信機器を1箇所にまとめて管理するもので、配線をすっきりさせることができます。ネット環境が当たり前となってきているので、採用される方も多いのではないでしょうか。重要となってくるのは設置場所で、基本無線LANルータを中に設置することになりますので、電波が家中に届き易いようになるべく家の中央にするのが良いです。また、配線のため壁に穴を開けることになりますので、外壁ではなく内壁となるところに設置となると思います。
私の場合は、家の中央に来るのが階段のため、階段下収納の中に設置しました。今まで住んでいた家が無線LANルータが2階にあったため、1階は電波が悪くリビングですらまともに電波が届かない状態でしたので、改善したいと思っていました。念のためテレビやPCを使用する部屋には有線LANポートを設置しておくと安心かと思います。また、普段は使用することがないため、埃が入り辛い目立たない収納内に設置しています。
【注意点】
- 家中に無線LANの電波が届くように、なるべく家の中央に設置する
- 壁に穴を開けるため、外壁ではなく内壁となるところに設置する
- 収納やクローゼット等人が出入りせず埃が入り辛い場所に設置する
以上から、階段下収納を例とすると情報分電盤は下記のようなイメージになります。
ニッチ
ニッチは壁にくぼみを作ったスペースのことで、写真等の飾り棚として使用したり照明等のスイッチ類をまとめたりするのに使われます。ニッチを作る壁はその奥行き分壁を厚くする必要が出てくるため、間取りに影響が出てきますので、設置したい場所があれば設計士に可能かどうか相談することになります。また、飾り棚として使用する場合は、飾る物のサイズを考慮してサイズを決めておかないと、サイズが足りないことになってしまいます。埃も溜まりやすい場所ですので、たくさん作ったり階段等に作ると掃除が大変です。
私の場合は、どの部屋もシンプルにしていますので、少しでも飾るところがあれば良いと思いリビングの壁にニッチを配置しました。飾る物は事前に決めていましたので、それに合わせて幅や高さ、奥行きを設計士に伝えて、ピッタリなサイズとなるようにしています。
【注意点】
- ニッチを作る壁は奥行き分壁を厚くする必要が出てくるため、間取りに影響が出てくる
- 飾り棚として使用する場合は、飾る物のサイズを想定してサイズを決める
- 埃が溜まりやすいので、ニッチの数や掃除のし易い場所を検討する
ニッチは採用する場所によって決まるため、イメージは特にありません。
採用していない必須ではない設備
- 【吹き抜け】
吹き抜けはメリットとして1階と2階がつながることで開放感が得られることや、2階部分に大きな窓を配置することで明るさを確保できることから人気の吹き抜けですが、デメリットが大きすぎるため私は採用しませんでした。主なデメリットとして、吹き抜け部分の2階は部屋として使用することができないこと、熱効率が悪くなるため電気代が掛かること、音や臭いが2階に伝わり易いこと、掃除がし難いこととたくさん挙げられます。個人的には解放感も必要ではないので、不採用としています。 - 【勝手口】
勝手口は採用する用途としてはゴミ出しの経路や生ゴミをすぐに外へ出せるといったゴミ関係になるかと思いますが、私にとってはメリットよりデメリットが上回るため不採用です。勝手口を付けるということは外へのドアが増えることになるため、防犯に対して気を付ける必要が出てきたり、間取りに対して制約が出てきたりします。また、熱効率が落ちることやコストが掛かること、そもそも生ゴミは袋に入れて縛ってゴミ袋に入れるようにすれば良いため、すぐに外へ出せることも大したメリットにならないこと等がデメリットとして挙げられます。 - 【ダウンフロア】
ダウンフロアは床を下げることになるので、空間を広く感じることができるのが魅力です。下げることでできる段差をベンチとして使用したり、収納として使用したりできることもメリットとなります。階段下収納をダウンフロアにすれば収納力が上がるため採用しようか迷いましたが、段差ができることでつまずき易くなったり掃除が面倒になったりするため、結局不採用としました。確認はしていませんが、床下点検口が採用できないといったデメリットも出てきそうです。 - 【太陽光発電】
太陽光発電は何と言っても電気代を節約できるのがメリットで、他にも余った電気を売電して収入を得たり、停電しても電気が使えたりします。政府の方針としても導入を促進しており、補助金もあることから採用する方も多いのではないのでしょうか。ただし、デメリットも多くあり、導入費用が高く蓄電池とセットでより高額となることや、メンテナンス費用が掛かること、売電価格が下がることも考えると元を取れるか分かりません。突然の故障や寿命が来た時に交換する際の手続きも面倒ですので、そういった不安要素を無くすためにも不採用としています。 - 【床暖房】
床暖房は冬場に足元を温めてくれるためスリッパが不要となったり、風が出ない、掃除がし易いといったメリットが挙げられます。ただし、デメリットが大きく導入費用や電気代、メンテナンス費用といったコストが掛かることや、温まるまで時間が掛かるため寒い朝には向かないこと、低温やけどの恐れがあること等の理由から不採用です。
まとめ
必須ではない部屋やその部屋で間取りに影響がある設備の決め方をまとめると、下記の流れになります。
【必須ではない部屋やその部屋で間取りに影響がある設備の決め方】
- 必須ではないが、コンセプトやスペース等によって採用する部屋を決定
- 使われ方や配置する物等を想定してどれくらいの帖数やスペースが必要となるか検討
- 間取りに影響がある設備について、デメリットも考慮して本当に必要かどうか検討
採用する部屋や設備を決定し、使われ方や帖数等の大体の情報が集まったため、次回の記事では部屋の配置について検討していきたいと思います。
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